みくにゃん生誕祭問題の解き方とか裏話とか

 2月22日のみくにゃん誕生日に記念パズルを24問投稿しましたが、ありがたいことに全問題解いてくださった方が幾人かいらっしゃいます。何問か難易度詐欺があったようでごめんなさい。客観的な難易度評価は難しいです。

 ところで、3月9日は 「みく」の日でしたね、すっかり忘れていました。当日になって何か用意しておけばよかったと気づきました。2日遅れですが、問題の解説とか裏話とかを語ろうかと思います。

 

注:解説内でR2C3などの表記がありますが、これは上から2行目左から3列目を意味します。 R2-4C1のように範囲指定(上から2~4行目左から1列目)をすることもあります。

 

1. お家へ帰ろう

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この企画を思いついてから最初に作った問題です。作問当初は盤面の分割にもこだわって「み」の形にしようと色々いじっていましたが、上手くいかずシンプルなこの問題が完成しました。今更ですが、MIKUを左にずらせますね。

 

2. クロット

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39をそのまま使うことができる数少ない定番パズルの一つです。ぱずすくのコメントにも書いたように、大きい数を使ったクロットが好きなのでつい作ってしまいました。某ソルバーに解かせても1マスも決まりません。頑張って解いてください。
さて、解き方ですが、R2C8の33とR3C9の39に注目してください。6差を作るためには39の右側を6マス以上塗る必要がありますが、最大16マスしか塗れません。そこで、他で最低23マス塗るのですが、R2C9を塗ってしまうとR4C8まで伸ばす必要があります。しかし、そうすると中央上にある39と9を成立させることができません。したがってR2C9は白マスとなります。その後は、2つある9に気を付けながらR3C8を含む大きな塊を伸ばしていけば答えにたどり着きます。

 

3. Search 39 Sudoku

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この企画唯一のオリジナルパズル(Variant)です。まずはSugarソルバーを作成し、何も考えずに8割くらいの矢印の向きを決めて解がなくならないように残りも決めたら、解が3つしかありませんでした。は? 唯一解になるように7を置いて解いてみたら思ったよりも上手くできていたのでこれで完成としました。

この問題は、3or9が入るマスに印をつけながら矢印に入る数字の候補を丁寧に消していけば(多分)仮定することなく解けます。ここでは一番の難所だけ解説します。R3C9に9が入った後、R4-6C7のどこかに9が入るので、R8-9C8に9が入ります。すると、R6-7C8の2つの矢印が3を指すことになり、R3C8の矢印も合わせて考えると一つに定まります。

 

4. バトルシップ

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右(あるいは下)にある数字の合計が20になるから何もないところは0になるという大域手筋の問題をたまに見かけますが、それでは面白くないなと思って波が置かれた盤面を見つめていたら何か見えました。2x2には最大2マスしか艦が占有しないという手筋と艦が入るマスの斜めは白マスになるという手筋を多用します。入り口はぱずすくのコメントに書いた通りです。黄色く塗ったマスのうち最低19マス使う必要があるため、まず4が決まり、続いてR3の3が決まります。次にC2-3の2つの3のうち何マスか決まります。ここで、R23とC23に注目すると、この領域だけで艦を7隻使うため、R9の3を埋めるためには長さ3の艦を縦に使う必要があります。後は、残り2隻も配置して、ヒント数字を満たすように艦を伸ばしていくと答えにたどり着きます。

 

 5. Compass

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 特に語ることがありません。中央に39を配置しました。終わり。

解くときは、右下から反時計回りにぐるっと解きます。

 

6. 交差は直角に限る

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初めは別の問題を用意していたのですが、公開1週間ほど前に複数解が発覚し、作り直しました。24問の中で一番唯一解の自信がないです。 右上のKとUから始めて丁寧につなげていけば完成します。

 

7. 黒どこ

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中央の2を使った左上から右下に黒マスが繋がることで生じる分断禁を主題にしようと思っていたのですが、上手く活かせず終わってしまいました。それにしても、よく3と9(と2)だけでできましたね。3と9の数が同じになったのは偶然です。解説はいらないよね?

 

8. Hungarian Tapa

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数字埋めしながら作り上げるのが、実力的に厳しかったので、数字マスの確定と数字埋めを別々に作っています。全連結と2x2禁の制約がかなり大きく、下に製作途中の盤面を載せましたが、これだけで数字マスがすべて決まったはずです。

さて、想定していた解き方解説です。

数字マスパート
[2,2,2]や[13,17]が普通のTapaでいう[1,1,1]や[3,3]であることに注意すると、C6-7の2列のマスが[2,2,2]周り以外は決まります。同様にR5-6やR9-10も一部決まります。また、C5に数字を6コ入れるためにR8C5は数字マスになります。ここで、[2,2,2]に注目してください。この白マスは左下、右下、右上のどれか一つの経路を伝って壁まで繋がっています。そのため、分断を防ぐためにR4C5は数字マスになります。次に、R4C5-6を含むカタマリの和が3であると仮定すると破綻するため、このカタマリの和は9であると分かります。同様の議論でR5-6C4のどちらかは白マスになると決まるため、R5-6C1-4の数字マスが確定します。R4C3が白マスだと決まり[19]の周りが確定した後は、各行各列6マスずつ数字マスになるように注意するとすべて決まります。

数字埋めパート

R4について、合計が21なのでC2+C7=10。R2C7の17は6,5,6に分解されるため、R4C7に6は入らない。R6C4に1が入るから[19]の右側3マス(R2-4C4)の和は最低9。したがって、左上3マスの和は最大4となる。これ以降はただの数字埋めです。

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9. 美術館

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 何も考えずに1を置いた後解いてみたら唯一解でした。ミの周りでカウンティングすることでク周りが決まります。

 

10. 四角に切れ

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始めは隅の10を使って2択にしようかと考えていたけど、難易度が上がるので止めました。中央の39以外に意味はありません。

 

11. スリザーリンク

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MIKUを表出してみただけの普通の問題です。★3にしましたが、★2でも良かったかもしれません。

 

12. ぬりかべ

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毎度おなじみむりかべです。慣れてくると、少しいじって唯一解っぽいと思った問題が大抵唯一解になっています。

解き方? 気合です。

 

13. Extra Region Sudoku

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ミクをあしらいやすい数独です。本当はもう少し難しかったのですが、もう一問の数独がそこそこ難しいので作り直しました。1つだけ仕掛けを入れただけで、あとはスラスラ解けると思います。仕込んだネタは、R7C8=R5C7からここに入る数字が決まるというものです。

 

14. Tents

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はい、手抜き問です。考えて作ると、手筋を入れてしまい難しくなるため、何も考えずに作りました。その割には1なんて使って難しくしかけていますが。1から考えても解けますが、想定していたのはR3C6の木のテントをどこに置くかです。

 

 15. ダブルチョコ

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人生初のダブルチョコ作成でした。始めは39を使うことやスリザーリンクのようにMIKUを使うことを考えていたのですが、なかなか面白い問題にならなかったので変えました。この問題のように盤面の左右でメインとなる色を使い分ければ文字や絵を書きやすいと思うのですが、やっている人は少ないですね。

この問題はマスの救出をテーマにしています。まずR1C1を含むブロックの灰色マスは右側から引っ張ってくる必要があります。さらに灰色ブロックで合同な形をとるためにR2-5C6を使うと分かります。すると、R5C5の6が少なくとも1マス下に伸びる必要があるため、R4C1のマスもR1C1と同じブロックになります。こうして上半分が埋まります。

続いて下半分です。R6C2を右半分の灰色マスまで引っ張るとR6C3-4につながる白マスがなくなるため、R6C2とR6C3が同じブロックになると分かります。それによって、R5C3を6がとる必要があるため、5マスまで決まります。ここで、6マス目を下に取ると、R7-8C2-4辺りの白マスを消費しきれなくなるので、6マス目は左を取ります。あとは、6の灰色マスの取り方とR5-7C10をどう使うかをまとめて考えることで残りの分割が決まります。

 

16. ヤジリン

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ミクを書いたらヒント過多になってしまったので、いっそのこと表出を0だけにしてみました。そこまで難しくないはずなので★1にしたかったのですが、無駄に端偶法や偶奇を使っているので ★2にしました。如何にして真ん中に黒マスを入れるかにこだわりました。

 

 17. ぬりみさき

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3, 9を2つずつと真ん中に日付を置き、右上と左下に2つずつ白丸という、非常にシンプルな作りになりました。解き味も悪くなく、お気に入り問題の一つです。解き方を解説する必要はないと思いますが、強いて言えばR6C4は白マスにはならないですかね。

 

18. TomTom

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24問の中で最も気に入っている問題です。見え見えですが、3列の和を考えるので一応★4にしました。+が余剰ヒントだなんて無粋なことは言わないでください。

まずは9×に1, 3, 3を入れましょう。続いて3÷が1, 2, 6と分かります。9は+しかありえません。3-は1, 2, 6と1, 1, 5の2通りが考えられますが、右3列の和が21×3=63なので、1, 2, 6だと分かり、R3C4に2が入ります。左半分も同じように考えると3の分割が1,4であると分かります。ここでR1-2に注目すると、3を入れる場所がR1C2とR2C5であると分かります。また、1が既に2回使われているため、R2C3に6が入ると分かります。今度はC4に注目すると6の入る場所が1ヶ所しかなく、9+には4, 5を入れると分かります。ここからはただの数字埋めなので割愛します。

 

19. Statue Park (no reflection)

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ペントミノ枠は既に作成していたので、難易度を抑えめにテトロミノで作りました。偶然にも今週末のGPにも同じ反転不可のものが出題されますね。

解き方の前にテトロミノの呼び名について、LITSOに加えてJとZと呼ぶのが一般的ですね。

さて、右上と左下のO, Lがすぐに決まります。続いてR2C5がR2C3と繋がるので、R1C1は下に伸びてIになります。R4C8を3マス目まで伸ばした後は、R4C5の取り方を考えるとSに決まります。そこからTとJが決まり、最後にZの入れ方を考えるだけです。

 

20. Curve Data

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おそらく試行錯誤問ですが、 割とあからさまなので見える人はすぐ引けると思います。自力で唯一解チェックするのが面倒だったので、Sugarソルバーを導入する切っ掛けとなりました。

 

 21. Newましゅ

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デザインをシンプルにできたので、無理して普通のましゅにせずに白マス連結にしました。解くときは、どこに白マスの塊があるかを考えましょう。

 

22. Aquarium

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あれ、みく要素が見当たらないぞ?(棒)

コメント内容が先にできあがった問題です。あまり縦につながっていないので、作るのに少し苦労しました。

メインテーマは「奇数の作り方」と「2列まとめて考える」です。具体的にはR1C1とR1C8のどちらかを塗る必要があるとか、R3C2を塗ってはいけないとかです。

 

23. Doppelblock

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7x7で9を作るのは大変なので、6x6にしました。2つある9は入れ違いになるから2を作る場所には気を付けてねという問題です。そこさえ越えればただの数字埋めになります。

 

24. Pentominoes

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ラスボスです。初めに別の問題を作っていたのですが、試行錯誤要素が強かったので作り直しました。3つある9の制約がかなり大きく、これだけで解の数がかなり絞られます。解き方はぱずすくに書いた通りで、R7にLYI(の一部)が現れるので、下の数字の和を考えると、Nを2つにまたがるように配置する必要があります。あとはヒントを見ながら丁寧に埋めていけば完成します。